伊織の想いStory
裁縫が得意な私の母は、約40年前に千葉県の浦安市に小さな保育園を設立しました。
多いときで90名以上の園児が在籍していたため、保育園のお遊戯会は毎年大忙し。
なぜなら、子どもたちの衣装や舞台背景などはすべて私の母、祖父母、保育士の先生方による手作りだったからです。
着物や袴は女学校で和裁を習っていた祖母が縫製し、作ったことのない衣装は型の近い型紙を見つけて作りたい型に変えて縫製していました。
祖父は、和服の子が履く草履やおじいさん役が背負う大きな籠を作っていました。
まさにすべてを手作りして本番を迎えるというのは保育園にとって毎年恒例の一大行事でした。
一生懸命練習を重ねて本番を迎える子どもたち。
普段とは違う素敵な衣装を着た瞬間になんと瞳がキラキラ輝きだすのです!
母がデザインした衣装のクオリティや舞台美術は、保護者の方々から非常に評判が良く、そして子どもたちにとっても特別なものでした。
昔から多くの保育園や幼稚園では、子供の衣装は親が手作りするようにと指示をされます。
ところが昨今は共働きのご家庭が増え、パパ・ママともに忙しくされています。
にもかかわらず多くの園では、未だに昔と同じやり方が続けられていると耳にします。
私の長女が幼稚園で初めてお遊戯会を迎えようとしていたとき、先生から「娘さんは雪の結晶の役なので、結晶の衣装を作ってきてください」と言われました。
当時は仕事が大変忙しく、先生のイメージとすり合わせをし、生地を探し型をとって縫製する時間なんて到底確保できない状況でした。お店をいくつも回り購入したものを組み合わせて、どうにか結晶に見えるかどうかの微妙な衣装で本番の舞台に立たせました。ウキウキワクワクとした嬉しい気持ちを娘にも味わわせてあげたかったな。と今でも後悔しています。
母や先生方がひと針ひと針愛情を込めて毎年作りためてきた衣装は、約520着にもなりました。
現在、母の保育園は閉園し、多くの子どもたちを輝かせてきた約520着の衣装たちも眠ったままになっています。
そこで、この衣装を生かしてひとりでも多くのお子さまや保護者様を喜ばせることができないかと考え、レンタルサービスを始めることにいたしました。
練習の成果が発揮できるように。
役に入り込めるように。
なによりお子さまが舞台で最高に輝けるように。
ひと針ひと針の想いがたくさんの子どもたちに届くように願っています。
伊織
上智大学卒業後、和食の料理人を目指して修行の道に入るも、母親の経営する保育園が人気となり人手不足解消のため保育の道へ。主に2歳児から5歳児のクラス担任を8年間務める。長女が2歳のとき「自分の子供を通わせたいと思える学校がない!」と一念発起して川崎市に自らインターナショナルスクールを設立。真の国際人育成を目指し、独自の感性教育を日々実践する。現在8年目。好きな芸能人は本木雅弘。座右の銘は「不可能はない」。10歳女児と4歳男児の母。